Norizo
Headphones 1958
お届けについて
作品について
私の制作の根底には「ノスタルジー」という感情の動きへの関心があります。そして、それらを喚起する対象として「古いモノ」をモチーフに取り入れて制作してきました。
本展でも様々な事物を描いていますが、中でも繰り返し登場してきた「古いヘッドフォン」と「古いぬいぐるみ」を今回のテーマの象徴的なモチーフとして位置付けています。
当時の技術と思想がデザインに現れているヘッドフォン。衣服の仕立てや量産技術の意匠を今に伝える、ぬいぐるみとその衣装。これらはどちらも、ある時代が生み出したプロダクトの姿をしています。役割を終えたこれらの物質は、ただその構造やテクスチャの美しさを剥き出しにして佇みます。いずれも自分が生きる前の時代に作られたものであり、直接体験していないはずなのに、私はその佇まいに強く引き寄せられます。
過去の思想と、現代を生きる私の感覚が画面の中で出会うとき、一体何が生まれるのか。それを確かめたくて、私はこれらを描き続けているのかもしれません。それらは相反することなく、一つの空間で重なり合い、静かに共存しています。
感傷的な回顧ではなく、物質を通して現在と過去が交差する「時間の重なり(Overlapping)」。その景色を会場で共有できれば嬉しく思います。

Norizo
私は、時間と共に消える何か——失うことで得られる何かを描いています。 作品に登場する古いモノは、かつての、ある時代の憧れを具現化したものでした。未来への憧憬を抱きながらデザインされた形は、今や摩耗し静寂の中にあります。 また、作品に登場する子供たちは、古い記憶に接続する媒介者です。そして古いモノが自然の流れの中で変容しながら朽ちていく時間と対比されつつも並走しながら、子供たちの時間は前へと向かっていく存在でもあります。 私は、デジタルと油彩の対話を通じて一枚の絵を構築します。デジタルで組み立てた構図は、時に私でも思いもよらない構造を見せてくれます。それを油絵具の重層的なマティエールへと翻訳していきます。その結果生まれる画面は、構造的であると同時にデジタルとアナログの蓄積でもあります。「今」作られたものでありながら「ずっとそこにあった」かのような感覚を目指します。 感傷としてのノスタルジーではなく、知覚としてのノスタルジー。 すでに過去になりつつあるものを、現在において再認識するという、時間の重なりを描きます。
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会場

パンとエスプレッソと
芝浦ギャラリー
ベーカリーカフェギャラリー|東京・芝浦
若手作家の展示を1〜2ヶ月に一度入れ替える、ベーカリーカフェギャラリー。パンとコーヒーの時間に、作品をゆっくり見られます。
